2014年10月17日金曜日

Titan2Dのインストール

Titan2Dのソースコードは,VhubのTitan2Dのサイトからダウンロードできます.できればVhubのメンバー登録もしておきましょう.マニュアルはこちらにありますので,ダウンロードしておきましょう.

右側のLaunch Toolの下に小さくダウンロードと書かれた部分がありますので,そこをクリックすると,Titan2Dのver. 2.0.1.63のソースコードをダウンロードできます.

VHUbのサイトにあるTitan2Dのソースコードをダウンロード

ダウンロードしたtitan2d-r63.tar.gzファイルは,ドラッグアンドドロップでHomeフォルダに入れて下さい.右クリックでここに解凍(Extract here)を選ぶと解凍できます.もちろんTerminal上で,tar zxvf titan2d-r63.tar.gzとして解凍しても構いません.さらに,標高データを格納するフォルダをHome上につくります.ここではdemとしています.

titan2DをHomeフォルダ上で解凍.demフォルダを作ります.




Synaptic Package Managerを開いて,下記のライブラリーをインストールして下さい.検索窓に名前を入力して,該当するものにチェックを入れた上で,上のApplyボタンを押します.関連するライブラリー群もまとめて入ります.

・mpich
・mpich2
・libmpich-dev
・libmpich2-dev
・libmpich10
・gromacs-mpich
・mpi-default-bin
・mpi-default-dev
・libhdf5-mpich2-dev
・libhdf5-mpich2-7
・libhdf5-mpich2-7-dbg
・mpich2python
・netpipe-mpich2
・yorick-mpy-mpich2
・hdf5-helpers


要は,mpichと書かれた関連ライブラリーは入れるようにして下さい.ただし,説明などをみてopenmpiと書かれたものは入れないで下さい.コンフリクトしてうまく動きません.

synaptic package managerで関連ライブラリーをインストール

下記のものも入れて下さい.すでに入っていればそのままで構いません.

・gfortran
・python
・python-tk
・automake
・Nautilus Pluginの必要なもの Open terminalは便利

ターミナルを開いて(ターミナルが見つからないときは左上のアイコンを押して,Terminalと入力すると出てきます),titan2d-r63のフォルダの中にあるsrcというフォルダに移動します.

$ cd titan2d-r63/src

titan2d-r63のフォルダ内のsrcフォルダに移動します

そして,下記の様にターミナルで入力し,シェル(一連のコマンドを一括して行う方法)を実行します.

$ ./install-titan.sh

自動的にコンパイルが終わって,インストールできました.(環境によってはここでつまずく場合がかなりあります)

インストールがうまくいくと,titan2d-r63フォルダの中のbinフォルダの中に,titan_gui.pyという実行ファイルができているはずです.(うまく行かないときは,ターミナルにエラーが出ているので,それを見ながら対応を考えます.)

$ cd ../bin

インストールが成功したら,titan2d-r63フォルダ中のbinフォルダの中に,titan_gui.pyができているはず

それでは,実行してみましょう.python titan_gui.pyと入力するとtitan2dの画面が開くはずです.

$ python titan-gui.py


これでTitan2Dが使えるようになりました.もし,ノートパソコン等を使っていて,フォントが大きすぎて画面がはみ出す場合は,binフォルダ中のtitan_gui.pyファイルを下記のように入力してエディタで開き(GUIの方で,ファイルを探してダブルクリックしてもOK),一括置換を使って,フォントを小さくしてみて下さい.フォントは何種類かあります.(念のため,バックアップをとってからの方が無難です) 保存して,エディタを閉じて,再度実行し,サイズを確かめて下さい.

$ gedit titan_gui.py


フォントが大きすぎて画面がスクリーンからはみ出すときは,エディタでtitan_gui.pyを開いて,一括置換でフォントサイズを小さくする.

 









VMware上にUbuntuをインストール

各パソコンに,仮想環境を構築し,Linux(Ubuntu)をインストールします.

ワークショップでは,Windowsの方は,VMware Player,Macの方は,VMware Fusionを入れました.

VMware Playerは無料で使えます.VMware Fusionは有料ですが,一定期間は評価版を使えます.もちろんBoot CampやParallelsなどで構築しても問題ありません.

VMwareの場合は,インストール後,必ずVMware Toolsを入れましょう.実行速度が速くなりますし,WindowsやMac側のファイルをドラックアンドドロップでUbuntuにコピーできるようになります.インストール方法はこちらを参照して下さい.

VMware ver.7では,途中で「簡易インストールの進行中は,WMware Toolsのインストールを手動で起動できません.」というエラーメッセージがでてインストールできないことがあります.その場合は,こちらを見て下さい.

Ubuntu 14.04の日本語RemixイメージをUbuntu Japanese TeamのHPなどからダウンロードします.英語版でも問題ありません.

VMwareで追加を選び,ダウンロードしたイメージファイルを参照してインストールします.
インストール方法は例えばこちらを参照して下さい.

Mac上にインストールしたUbuntu14.04

Ubuntuを使うためには,最低限のLinuxの知識が必要になります.初めての方は,例えばこちらのサイトで基本的な使い方を覚えましょう.もちろん,入門書を買ってきて読んで頂いてもOKです.使いながら覚えればよいと思います.

Ubuntuに各種ライブラリーをインストールするには,Synaptic Package Managerが便利です.ソフトウェアセンターからSynaptic Package Managerを検索して,インストールして下さい.

ソフトウェアセンターでSynaptic Package Managerを検索しインストール





火山防災のためのコンピューティングワークショップ2014

長らくご無沙汰していましたが,再開したいと思います.

10月10日〜13日の4日間,火山学会の火山防災委員会主催の「火山防災のためのコンピューティングワークショップ2014」を日本大学で開催しました.

ワークショップでは,参加者のノートパソコンに,仮想環境(WMWare)をつくり,Linux(Ubuntu14.04)をインストールした上で,Titan2D,Tephra2,QGIS,VHub,G-EVER等が使えるようになることを目指した講習会を行いました.そこでは,企業の方,大学関係者,院生等約15名の方が参加しました.今回参加できなかった方のために,少しずつその際の内容を書いていきたいと思います.ぜひ,お試し頂いて,各種防災に役立てて頂ければ幸いです.

Titan2D: ニューヨーク州立大学バッファロー校が開発した火山重力流シミュレーション.火砕流,岩屑なだれ,土石流を始め,雪崩などの研究に広く用いられている.VHubのサイトからソースコードをダウンロードできる.

Tephra2 :  南フロリダ大学で開発された移流拡散モデルを元にした降下火山灰のシミュレーション. VHubのサイトからソースコードをダウンロードできる.

QGIS :  オープンソースの地理情報システム(GIS). 以前はQuantum GISと呼ばれていた.ここでは,Titan2DやTephra2で用いる標高データ(DEM)の作成に用いる.

VHub :  ニューヨーク州立大学バッファロー校が中心となって進めている情報共有のためのプラットフォーム.多数のオンラインシミュレーションがある.Titan2DやTephra2もこのVHub
上で動かすことができる.全世界で800人以上のユーザーがいる.

G-EVER :  産総研地質調査総合センターが中心となって進めているアジア太平洋地域の地震及び火山に関するハザード情報共有プロジェクト.ワーキンググループ活動の1つとして,EneryConeやTitan2DをWeb上で利用できるのG-EVER火山災害予測支援システムを開発している.